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著書『駐在妻をあなどるなかれ』
 

(GalaxyBooks, 2024)

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大学の講堂の壇上には

​スーツに身を包んだ「海外駐在員」が、

​マイクを片手に並んでいた。

あのとき、憧れのまなざしで彼らを見ていたのは、私だけではなかったはずだ。

会場の全員が、彼らを見ていた。

彼らしか、見ていなかった。

壇上には、彼らしかいなかったのだから。

しかし、今、私がその講堂にいたとしたら、私から見えるのは、その商社マンではないだろう。

その横に立つ、

 

彼らの家族。

彼らの妻。

その姿は、誰からも見てないけれど、私にははっきりと見える。

​「駐在妻」の彼女たちが、凛として、彼らの横に存在していることを、私は知っているから。

この本を書いた
背景

長く続く海外生活の中で、私は少しずつ自分の気持ちを後回しにするようになっていました。

駐在妻だから苦しかったというより、「自分はどう生きたいのか」が分からなくなっていたのだと思います。

その時間を、忘れないために書きました。

そして、同じように海外で暮らす誰かが、あるいは、自分の「役割」に囚われて苦しい誰かが、

「自分だけじゃなかった」

と思える一冊になればと願っています。

この本は、私にとって最初の一冊です。

海外駐在を入り口にしていますが、本当に書きたかったのは、人が自分の人生を取り戻していく過程です。

​今も、その続きを書き続けています。

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